「――いっ、いやっ! せ、先生っ……何をするんですか……!?」
ある日の部活の最中、普段通り練習に励んでいた由麻が、ふとした油断から足首を捻ってしまった。 (こんな怪我しちゃうなんて……何やってるんだろう、あたし……) 包帯に巻かれていく足を見つめながら、由麻は内心で呟く。 (練習を休んだら、取り戻すのに倍の時間がかかるのに……あたしには、休んでる時間なんてないのに……!) それは苛立ちではなく悲嘆に近く、いつもは明るく取り繕っている表情もすっかり暗い影を落としていた。 「……長谷部、焦るのはわかるが、無理をすれば怪我が悪化するだけだ。今は治療に専念しろ」 ふと顔を上げてきた片桐が発した一言。 自分の心情を的確に察したかのような発言に、由麻は驚きに小さく肩を震わせる。 ここで無理をして練習を強行すれば、怪我が悪化するばかりか選手生命を左右しかねない致命的な問題に繋がる可能性もある。 そんな事は由麻にだってよくわかっている。 だがそれでも由麻にとって練習を休む事は、言うなれば信仰している神への背信に等しく、おいそれと認められる事ではなかった。 「なぁ、長谷部? どうしてそんなにバレーがしたいんだ? お前はただバレーが好きってだけでやってるわけじゃないんだろ?」 「えっ……!?」 さらっと投げかけられた言葉に、由麻は心臓が縮み上がる思いになる。 「な、何を言ってるんですか、やだなー、先生……あたしからバレーを取ったら何も残らないっていうのに。あはは……」 笑ってごまかそうとするものの、頬が引きつっているのは由麻自身自覚していた。 「……お前がバレーをしてる姿は、他の学生にはない必死さを感じるんだよな。一生懸命を通り越して、何か強迫観念めいてるというか……事情はわからんが、少し無理をしすぎてないか?」 「うぁ……!? そ、そんな、ことっ……!」 重ねて踏み込まれ、今度こそ由麻は返事に詰まってしまう。 今まで他人の前では内気な弱い心を隠して、明るく振る舞ってきた。 自分がいつも胸の中に秘めている、不安で凝り固まっている暗い思いは誰にも見せてこなかった。 しかし、それをこの片桐には見抜かれてしまった。 「もし、何か不安や悩みがあるなら聞くぞ? 気休めにしかならないかもしれないが……」 (ううっ、この先生、本当のあたしに気づいてるの……? あたしの事、わかってくれるの……?) 見抜かれて驚いたものの、自分の深奥に触れられた事に由麻はわずかな安堵も覚えていた。 先ほど足を痛めた時にも同じバレー部員の仲間達は心配してくれたし、他人に気遣われた経験がないわけではもちろんない。 しかし、ずっと隠していた本来の自分を心配されたのは初めてで、その事を嬉しく思う気持ちが心を暖かくしたのだ。 (片桐先生……本当にあたしなんかの事を心配してくれてるのかな? この人は信用してもいいのかな……?) 片桐は教師なのだし、学生が思い悩んでいたら親身になるのは当然の措置と言えよう。 だが例えそうだとしても、今の由麻には救いの手を差し伸べられていると感じずにはいられなかった。 「俺が力になれるかはわからないけど、力になれるようには努力する。だから少しは頼ってくれていいんだぞ?」 重ねて告げられる片桐の言葉。 それに心を揺さぶられた由麻は、今まで誰にも明かす事の無かった自分の中に抱えていた弱さをぶつけることにした。 「そ、それじゃ、あの……先生……あたしの話、聞いてくれますか……?」 いつも他人に見せる顔とは違う、自信のない自分をさらけ出して由麻は片桐の目を見つめ、静かに語り出した。 「あたし、両親が元バレーボール選手で……そんな二人から、自分達を超える選手になるように、って子供の頃から教育されてて――」 自分が今部活で活躍できているのは、両親から施された英才教育とも言うべき指導のおかげである事。 由麻にとってバレーボールは両親からの期待に応え、喜んでもらうための手段であり、だからこそずっと頑張って打ち込んできた事。 バレーボールで結果を出すために、弱気な心を隠していつも元気で活発な偽りの自分を演じている事。 ……そして、そうまでしてバレーボールに心血を注いできたのに、今はもう両親が側にいない事。 誰にも話していなかった自分自身の事を、由麻は気づけば片桐にすべて語っていた。 「……ずっと、精いっぱい頑張ってきたんです。なのにこんな風に怪我をしちゃって、練習を休まなくちゃいけないのが不安で、仕方なくて……」 「……そうか。そんな事情を抱えていたのなら、頑張りすぎてしまうのも無理はないさ」 話を聞いて、片桐は真摯な顔つきで頷いてから、真っ直ぐに由麻を見つめた。 「まあ、それでもたまには休憩が必要だ。きっと今回の怪我は、根を詰めてる長谷部に休めって神様が言ってるんだよ」 「……そう、なのかもしれないですね……」 子供に言い聞かせるような説得だが、その言葉を由麻は素直に受け止められた。 自分がさらけ出したすべてを最後まで真剣に聞いてくれた片桐に、由麻は心を寄せ始めていたのだ。 (でも……本当に信じていいのかな? あたしなんかの事を、こんなに心配してくれる人がいるなんて、信じられないよ……) ここまで安堵した気分になっているのに、また弱い部分が顔を出し、疑心暗鬼になる。 ネガティブすぎる自分に嫌気が差すものの、長年の性分が簡単に解消できるわけもない。 そして、図らずもその疑念は正しかった。 片桐が由麻に本性を現すのは、この日から一週間後の事だった―― ----------------------------------------------------
(……確かに、優しくしてくれた先生を信じきれなかったけど……でも、こんなのってないよぉ……!) 「見た目よりもボリュームがあっていいオッパイじゃないか! 揉み心地もよくてたまらんぞ! もっと味わわせろ!」 女の象徴である柔房を思いのままに弄び、片桐は興奮と共に肉棒もさらに滾らせ、まさに由麻の全てを貪る勢いで淫らな責めを繰り出す。 「いやっ、あっ! んぁああっ! やぁ、もうっ……しないでくださっ……あひっ! あっ、あぁ……うあぁああっ!」 いくら拒もうとしても執拗に繰り返される凌辱に、由麻は絶望の闇に沈む一方となり、体力も気力も潰えてしまっていた。 「うあぁ……やっ、あひぃい! やぁあぁ! いやっ……あひっ! んひぃぃい!」 「おっ……ククククッ! ショックで頭もトンできたか! いいぞ、これこそ支配というものだな!」 乳房を揉まれる刺激とペニスによる抽送に反応して声を発するばかりとなった由麻に、片桐は手応えを感じて頷き、興奮を乗せた腰使いで加速したピストンを見舞って、若い肉穴を望むままに嬲り尽くす。 ぬめる膣肉と竿肌が擦れ合い、突き入れる亀頭に牝襞が纏わり付き、加えて穴全体が収縮して肉幹を圧迫する心地よさに、片桐は全身が茹だるような高揚感を得て、同時に自身が限界に差し迫ってきた事を察知する。 「くっ、おおおぉ……! かなりいい感じになってきたな! このまま射精してやるぞ! 中出しで終わりにしてやるっ!」 「うあああ……おっ、終わりっ……んぁあ! あっ、あああぁ……!」 いよいよ限界に迫り、獣のような獰猛なピストンに切り替えながら片桐が告げた言葉が、由麻の朦朧となっている頭の中に染み込んでいく。 (あああっ……! お、終わるっ……終わるぅ……! 終わるなら早くっ……! 支配でも何でもいいからっ、早くっ、終わりにしてぇぇ……!) 避妊もしていない状態で膣内に精を放たれるというのに、絶望に染まりきっていた由麻はこの残酷な行為が終わる事のみに囚われ、解放を望む心でいっぱいになる。 そんな由麻に鋭く突き込むうち、片桐も猛烈な快感に呻きを漏らしながら腰をブルブルと震わせ、遂に放出の瞬間を迎える。 「出すぞ……! 初物マンコで男のザーメンをとくと味わえ!」 「ああっ、終わってっ……もう終わってぇっ! うあっ、ああぁ……あああああああっ!」 ビクンと肉棒が膣内で跳ねたかと思うと、膨れきった亀頭から勢いよく精液が噴き出した。 勢いよく膣の中で弾ける衝撃と熱い感触に由麻はポニーテールを振るって絶叫する。 「ひぁあああっ!? うぁっ、あああぁぁ! どんどんくるっ! 入ってくるぅぅう! いやああああっ!」 今まで味わった事の無い、腹の底が焼け付くような感覚に脳の処理が追いつかなくなり、子種を注がれるたびに狂ったかのように激しく身悶える。 「お前のマンコがここまで出させてるんだぞ! そらっ、まだまだくれてやるからなぁ!」 初めて受ける膣内射精に女体を引きつらせて喚く由麻の姿を楽しみながら、片桐は痛快な思いに駆られるままに何度も欲望を吐き出し、自身の支配の証を少女の腹の中に容赦なく刻みつける。 そうして尋常ではない量の白濁が注ぎ込まれるうち、だんだんと片桐の精が尽きる様子を見せ始め、狂乱の体となっていた由麻の望みがようやく叶う事となる―― 「そらっ、全部出してやるぞっ! これで終わりだっ!」 「あひぃいいいいいいいっ!?」 最後の一塊を撃ち放たれ、それを受け止めた由麻は大きく尻を弾ませた後、精根尽きたようにゆっくりと身体を弛緩させていく。 遂に凌辱が終わった事への安堵は元より、今まで泣き叫んでいたせいで消耗しきってしまい、もはや抜け殻となったかのように視線を宙に向け、性交の痛みや絶望すら感じる余裕もなく朦朧となっていく。 「ククッ、初めてのセックスですっかりへばっちまったか……だが、この程度は小手調べだ。俺の本当の支配はこれからなんだからな……!」 すっかり呆けきる由麻を見下ろしながら、片桐が鷹揚に告げる。 しかし由麻の意識にはその声は届いておらず、一切の反応を示さずに酸素を貪るように大きく呼吸を繰り返すばかりだ。 「あうぅ……ぅあぁ、はうぅ……うぅ……ひぅ、んあぁ……」 「聞こえちゃいないか……まあいい。これから骨身に染みるぐらい俺の支配を味わわせてやるぞ、由麻……! ははっ、ハーッハッハッハッ!」 片桐の不敵かつ豪快な笑い声が室内に響く。 この放課後に起きた恥辱の事件を皮切りにして、長谷部由麻の淫辱に囚われた日々が始まるのだった――
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