執拗なまでに繰り返される片桐の調教――それを味わう日々の中で、由麻は自分が変わってきている事をはっきりと痛感していた。
今や由麻の身体は片桐から与えられる行為の全てに快感を覚えてしまい、それを求めてしまうようになっている。
そして何より、セックスをする事で片桐と心身ともに繋がっている感覚になり、その心地に充実を覚えてしまうのだ。
もはや由麻は身も心も片桐を受け入れており、依存していると自覚するまでに堕ちていた……
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(うぅ……先生、まだ来ないのかな……? もしかして、今日は呼んでくれないのかな……?)
今日の部活が終わって後片付けをしている最中、由麻は何度も体育館の出入り口に目を向け、いつも自分を呼びに来る人物が現れるのを期待していた。
調教が始まった頃は、呼び出されるたびに胸中に暗い感情が湧き起こり、絶望に染まっていたものだが、今ではむしろ声が掛からない事に強く不安を覚えるようになっている。
来てくれないのなら、こちらから片桐のもとへ向かおうかとさえ考えるものの……気の弱い由麻にはさすがにそれを実行できるほどの勇気はない。
(自分から会いに行くのは怖いし……うぅ、どうしたらいいんだろ……)
すでに片桐の調教に対する抵抗はない。
片桐が自分の調教を求めているのなら応えたい。
そこまで自身の気持ちがはっきりしているのに、自分からは行動する事ができない。
そのジレンマが由麻を悩ませている。
そうしてもやもやと考え込むたびに心の中で片桐の存在が大きくなっていくものの解決方法は何も思い浮かばず、もどかしい思いを心の中で燻らせるばかりだった。
「……おっ、バレー部はもう終わったのか」
(あっ……! 今の声……!)
不意に出入り口の方から聞こえてきた声……待ち焦がれていたその響きに由麻は俯かせていた顔を上げ、即座に視線をそちらに向ける。
そこにいたのは、まさしく片桐だった。
いつものようにジャージを翻しながら現れたその姿を見て、由麻の心には安堵感がみるみる広がり、心臓が自然と高鳴りだしてくる。
「おう、長谷部。悪いけど片付けが終わったら俺に付き合ってくれないか? ちょっと人手が足りなくて手伝ってほしい事があるんだ」
「あっ、は、はい……! わ、わかりましたっ……!」
(今日も先生が呼んでくれた……! またあたしを調教する気なんだ……!)
喜びが胸の中に湧き、暖かな心地に包まれる。
この後どのような淫辱が待ち受けていようとも、由麻は応じる以外の選択肢を持たなかった……
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「……ふあっ、あんっ! はぁあん! んふっ……こ、これで……いいですかっ……あんんっ!」
夕日が差し込む教室、並べた机の上に仰向けで寝そべる片桐の上に跨がり、制服に着替えた由麻が騎乗位の体勢で自ら腰を振って、膣洞で肉棒をしごいていた。
まるで自ら男根を貪っているかのような行為に由麻は羞恥を覚えるものの、それ以上の快感も得てしまい、卑猥に腰を揺さぶって性交を行っていく。
「ああ、いい具合だぞ。前に比べてずいぶんと腰使いが上手くなってるし、こいつはたまらんな……!」
命令されてやっている事とはいえ、ペニスのしなりに合わせるように腰の位置を調整しながらしごいてくる由麻の奉仕に片桐は感嘆し、賞賛の声をかける。
(先生、気持ちよくなってくれてるんだ……自分でするなんて恥ずかしいけど、先生がこうして欲しがってるんなら……いっぱいしなくちゃ!)
自然と緩みそうになる顔を引き締め、より膣穴に力を加えて肉棒を圧迫しながら、バレーで鍛えた足腰を振るってますます抽送に熱を入れる。
「はっ、あっ、あぁんっ……! ふぁっ、あっ、はぁあっ……!」
淫蜜で濡れそぼつ膣肉で竿肌をねっとりと擦り上げ、性器同士を絡め合わせるように濃密な抜き差しを繰り返す。
牡を喜ばせるために懸命に腰を振る由麻の熱意は片桐にも十分に伝わっていた。
「どうだ、俺のチンポを咥え込むのは気持ちいいか? 俺とのセックスはやめられないだろう?」
「んはぁっ、あっ、あんっ……! は、はいっ……気持ち、いい、ですっ……やめられないっ、ですっ……んんぅ!」
「ククッ、そうか……そうだろうな……!」
調教に順応して快楽によがり、堕ちてきている由麻の返事を受けて、片桐の顔に今までよりもはっきりとした愉悦の笑みが浮かぶ。
そして、片桐はその眼差しに一層力強い光をみなぎらせ、由麻を真っ直ぐに見つめた。
「じゃあ、もうお前は俺のチンポ無しじゃいられないってことだなぁ? このチンポから離れられないってわけだ?」
「はぁんっ……は、離れる……? 先生のオチンポからっ……んぁあっ、は、離れるっ……?」
快楽の中で陶然となりつつあった脳裏にその言葉がこびりつき、由麻は我知らず腰の動きを止めてしまう。
(先生が、離れる……? 捨てられる……? そんな……そんなのは、嫌っ……嫌だよ……! もうあんな思い、したくない……!)
「は、離れるのは嫌っ……! オチンポ、離しちゃ嫌ぁっ……!」
両親に捨てられた時の絶望が蘇り、肉棒を捕まえるように膣穴できつく締めつけてしまう。
「おっと……! フフッ、予想通り……いや、予想以上の返事だな」
由麻の反応に、片桐は実に愉快げに笑って頷いた。
「だったら、由麻……俺のモノになれ。俺の奴隷になるんだ!」
「んああぁ……ど、奴隷っ……?」
あまり聞き慣れないその単語に、つい間の抜けた声を返す。
だが、片桐に何を求められているのかは由麻にも何となく理解できた。
世界史の授業で学んだ『奴隷』は、人間としての権利を許されず、所有物として扱われる人の事だ。
片桐が言っている『奴隷』の意味がそのままなのかは由麻にはわからなかったが、そう遠くないものである事には違いないだろうと推測できた。
(先生の奴隷……今だって、いっぱいいやらしい事させられてるのに……そんなものになったりしたら、もっと……)
卑猥な想像が膨らみ、不安が心によぎる。
しかし、由麻が抱いた感情はそれだけではなかった。
(でも、先生のモノになれば……先生に捨てられる事は、ないのかな……?)
それは由麻がもっとも恐れている事態を回避する術にも思え、片桐の命令に対して徐々に魅力を感じ、心を傾けていってしまう。
由麻が揺らいでいるのを片桐も察知し、いよいよ攻め時だと確信して、最後の迷いを振り切らせようとさらに言葉を重ねる。
「このチンポから離れるのが嫌なんだろう? なら俺の奴隷になれ。俺に全てを捧げてずっと仕えるんだ……!」
「ぅんんっ、ずっと、仕える……?」
その『ずっと』という単語に由麻は強く心惹かれ、自分を見つめてくる片桐の目を真っ直ぐに見返す。
「んうぅっ、ふあぁ! ずっと、ってっ……奴隷になったら、あたしっ……ずっと側にいて、いいんですかっ……? 先生の側に、いさせてくれるんですかっ……?」
「んん……? ああ、そうだな……」
由麻から返ってきた言葉に片桐は一瞬きょとんとするも、すぐに笑みの形に唇を歪めた。
「もちろん、ずっと側に置いてやる。奴隷は主人の側で仕えるものだからな」
「あぁっ……! そ、それじゃ奴隷になったら、もう捨てられたりしないのっ……!?」
「当たり前だ。せっかく奴隷にしてやったのに、捨てるなんてもったいない事を誰がするか」
「うあぁ……ああああぁ……!」
片桐の答えは、由麻が何より求めていたものだった。
セックスによって与えられる快楽はもとより、片桐博人という男から離れる事は今の由麻にはもう考えられない。
かつて自分にとって全てだった両親をいつしか重ねて見ていた相手に、『捨てない』と告げられた事で由麻の胸中は計り知れない感動に包まれていく。
「ほら、答えを聞かせろ。俺の奴隷になるのか、ならないのか、どうするんだ由麻っ?」
どんな返事が来るかすでにわかっているような顔で、片桐が楽しげに答えを急かす。
対する由麻の返事は決まっている。
「なりますっ……! あ、あたしっ……奴隷に、なりますっ! 先生の奴隷になって、何でも言う事を聞きますっ! ですからっ、あたしを捨てないでっ……側にいさせてくださいぃ!」
心の底から湧き出る思いを、そのまま口に出して片桐に伝える。
「ハハッ、そうか! 俺の奴隷になるか! いいぞ、今からお前は俺の奴隷だ! ハァーッハッハッハッ!」
まさに歓喜の情が極まった様子で片桐が哄笑する。
その満足そうな姿を見て、由麻も自分が何を誓ったのか改めて実感する。
(あぁっ……あたし、奴隷になっちゃった……先生の奴隷になっちゃったんだぁ……!)
気の弱い自分が口にしたのが信じられないような大胆すぎる宣言に、今さら頬が熱くなる。
それでも、後悔はなかった。
(先生の奴隷になって、あたし喜んでる……奴隷になれて、嬉しいって思ってる……!)
片桐の側にいられるなら……という思いばかりが胸を占めていたが、こうして込み上げてくる喜びと向き合うと、隷属する事が由麻自身の望みでもあったのだと自覚する。
「よし、じゃあ奴隷になった記念だ。まずはこの首輪を着けろ……!」
「首輪……わ、わかりましたっ、今着けます……!」
由麻は命じられるままに差し出された首輪を手に取ると、そうする事が当たり前であるように首に巻き付けていった。
(ううぅ、首輪まで着けちゃうなんて……本当に先生の物になれたみたいで、すごくドキドキしちゃう……!)
「フフッ、よく似合ってるじゃないか。まさしく奴隷らしい装いになったぞ」
首輪を嵌めた由麻を見上げながら、片桐がこの上なく満ち足りた様子で賞賛する。
「では、続けて命令だ。これからは俺の事を『ご主人様』と呼んで敬え。いいな?」
「ふあぁっ、ああぁっ……はいっ、ご主人様ぁ……! あぁっ、はうぅっ……!」
指示通りに片桐を『ご主人様』と呼んだ瞬間、由麻は電気が走ったかのように身体中を震わせる。
まるで身も心も縛り付けられてしまったかのような状況に、片桐との繋がりがより強まった事を感じた歓喜による震えだ。
(先生の……ううんっ、ご主人様の奴隷になったんだから、もっといっぱいご主人様に尽くさなくちゃ! やっぱりいらないなんて思われないように、頑張らないと……!)
喜悦に浸っていたのも束の間、片桐への従属心に駆られるように、由麻は止めてしまっていた腰を大きく動かし、屹立する肉棒をしごいていく。
「おっ……! いいぞ、その調子だ! そうやってチンポを気持ちよくしろっ!」
ぬめる粘膜との摩擦が速く強くなる事で男根に生まれる快感が増し、不意打ちを食らった片桐はたまらずに恍惚とした叫びをあげる。
勢いを付けた抽送によって片桐が確実に心地よくなっているのを見て取った由麻は、一層気合いを入れて尻を弾ませ、ペニスに愛液をなすり付けてはきつく絞り上げていく。
(あぁっ……! ご主人様、気持ちよくなってくれてるぅっ! 喜んでもらえるとオマンコもっとよくなっちゃうっ……! あたしも一緒に気持ちよくなるぅっ!)
主人に尽くしているという思いが幸福感を呼び、それによって尻上がりに自身が得る官能も増すのを感じながら、由麻は喜びと共に淫らに腰を振って自らの生殖器を繰り返し肉棒で突き刺す。
膣穴から湧く興奮が身体を火照らせて意識を蕩けさせ、足腰もやや疲労が回って膝が崩れそうになる……それでも由麻は止まる事なく片桐と自分のために淫行に興じ続ける。
「奴隷になった途端に張り切るじゃないか……! そら、その忠誠に応えてやるぞ!」
そう言って片桐が由麻の胸元へと手を伸ばし、上着とブラウスをはだけさせて乳房を露出させる。
そして、こぼれ出た途端抽送に合わせて大胆に弾み揺れる二つの膨らみを捕まえるように、思いきり鷲掴みにした。
「あっ、あはぁん! ご主人様っ……! あたしのオッパイ揉んでるっ……! んはぁっ、あんっ、いいっ! いいですっ! オッパイも気持ちいいっ!」
主人の唐突な行動に由麻は一瞬驚いたものの、すぐに喜びの声をあげて反応を返す。
「ご主人様っ、もっとっ……! もっとオッパイしてくださいっ! ふぁあっ、あたしのっ、奴隷オッパイで楽しんでくださぁいっ……!」
「ああ、奴隷のオッパイだからな。当然、遠慮なく楽しんでやるぞ!」
まさに支配者然とした気分に浸りつつ、片桐は手にした乳肉に指を食い込ませて歪ませ、張りのある肉感を堪能しようと欲望のままに揉みしだく。
「はぁっ、あっ、ああぁっ! すごっ、いぃっ! オッパイ強くてっ、あっ、はぁあんっ!」
暴力的で荒々しすぎる愛撫にもかかわらず、由麻はさらなる淫楽を覚え、艶やかな唇の間から漏れる淫声になお悩ましい響きを宿らせる。
「もう乳首がビンビンじゃないか……! ここも責められたかったようだな!」
乳房の柔らかさと対照的に硬く膨らんで勃起した乳首を片桐の指先が摘み、クリクリとダイヤルを弄るようにこねて刺激を与える。
「はいぃんっ! 乳首もっいいっ! 欲しかったですっ! ふぁっ、あんっ! オッパイたまらないですぅっ!」
「卑しい奴隷だ……! そらっ、そんなに欲しかったならとくと味わえっ!」
「ひゃあぁんっ!? 乳首っ! 乳首ぃいっ! クリクリしてもらうの気持ちいいっ! いいですっ! はぅうんっ!」
勃起して敏感になっている乳首を集中的に狙われて、由麻は背筋をゾクゾクと震わせながら快感を訴える。
(あたしの身体、ご主人様のものになってるっ……! ご主人様が楽しんでくれてるの、わかるぅっ……!)
乳房を所有物のように扱われ、膣穴を自ら捧げて尽くす中で、由麻は両手と肉棒から主人の興奮を感じ取り、隷属の喜悦を味わいながら高ぶっていく。
「あひぃいっ! ああっ、はんっ! こんな気持ちいいのっ……あっ、あっ、もうぅぅ……!」
「なんだ、顔も声もずいぶんエロくなってきたな! もうイッちまうのか?」
「んはぁあっ、はっ、はいぃっ……! イキそうですっ! ご主人様ぁっ、あたしっ、もうイッちゃいそうですぅっ!」
絶えず尻を振って抽送を繰り返す結合部からは、淫液が飛沫をあげて卑猥な音を鳴らしている。
絶頂を前にして、発情の限りを尽くして乱れる由麻の艶姿に片桐も盛り上がりを見せ、膣穴の中で男根を大きく脈動させる。
「いいだろう、俺もいい具合になってきたしザーメンでイカせてやる! このままマンコに出してやるから、最後まで腰を振り続けろ!」
「んぁあっ……! お、オマンコぉ……ひあっ、あぁあっ! オマンコにっ、ザーメぇンっ……!」
押し寄せるアクメの衝動に理性が掻き消えそうになる頭の中に、何度も味わわされてきた膣内射精の感覚が蘇る。
子宮の中を熱い塊で満たされる蕩けるような心地よさと同時に湧き起こる、妊娠に対する不安……それはこれまで片桐に犯されてきてずっと消える事が無かった恐怖だった。
――だがそれも、主人に全てを捧げる奴隷となった今の由麻には、取るに足らない問題だ。
「あぁんっ、お願いしますっ、オマンコにっ! 奴隷オマンコにザーメン出してくださいっ! ご主人様のザーメンでイカせてくださぁいっ!」
にやつく片桐に紅潮する顔を向け、媚びた笑みを浮かべながらそう心から懇願する。
「ハハハハッ! いい返事だ! それでこそ奴隷だぞ、由麻! 褒美に今、望み通りにイカせてやるからなぁっ!」
孕む事も厭わずに膣内射精を願う由麻に、片桐はすこぶる愉快な気分になって笑い、宴の終演を迎えるべく自らも腰を跳ね上げて肉穴を乱暴に穿ちえぐっていく。
「はぁっああぁっ! あひんっ、深いぃっ! オチンポっ子宮叩いてるぅっ! ひっあっ! んああぁんっ!」
自身で行うよりも遙かに過激で乱暴な突き込みを膣洞のみならず子宮口にまで感じ、由麻は輪を掛けて淫猥に喘ぎ、肢体をみるみる引きつらせる。
もはや弾けそうになる官能を耐えるのすら厳しい様相を由麻が見せる一方で、遂に片桐も放出の欲求が果たされる時を迎え、猛烈に締まっていく膣内で肉棒を膨張させていく。
「そらっ、出すぞぉ……! 奴隷マンコでしっかり主人のザーメンを感じてアクメで飛べ、由麻ぁっ!」
「んはぁああっ、イクッ! きちゃうぅっ! ひあっ、あぁあ――んふぁああああああっ!」
猛烈に腰を突き上げた片桐の男根が子宮口に食い込むと同時に、先端から爆発的な勢いで牡汁が噴き出し、牝の生殖器官の内部に飛び込んでいく。
大量の精液を容赦なく胎内に注入されていく刺激によって由麻もアクメに達し、背中を反り返らせながら官能に染まりきった嬌声を迸らせた。
「あぁあああっ! 中にっ、ザーメン来てるぅぅうっ! んああっ、あはぁあああぁ! イクゥゥ! あたしもイッてますぅっ!」
滾る肉棒が脈を打ちつつ放つ精液を子袋に感じるたび、由麻は絶頂の快感が増幅していき、片桐の上で打ち震えては身悶え、赤く色づく肌になお汗の粒を浮かべてよがっていく。
「おおおっ! 気持ちいいぞっ、由麻ぁ! まだまだ出してやるっ! 子宮まで犯してやるから、どこまでもイッてしまえぇぇ!」
(あぁっ、すごいっ! こんなに出されて気持ちよすぎるよぉぉ! オマンコの中っ、ご主人様でいっぱいになってるぅっ!)
熱く粘つききった牡汁がみるみる子宮内に溜まっていき、膣の内部から圧迫される感覚に淫悦を得ながら、由麻は歓喜の思いを抱く。
腹の中が片桐の精で満たされていく心地が、彼の所有物として染め上げられているかのようで、それがとても嬉しいと感じてしまうのだ。
「ひぁあああんっ! ご主人様ぁぁあっ! あたし嬉しいですぅ! 気持ちよくて、うれしくてぇっ! ありがとうっ、ございますぅぅ!」
「ハハハハッ! 中出しされて礼を言ってくるとは、やはり俺が奴隷に選んだだけの事はあるな! そら、最後の一滴までマンコで味わえぇ!」
征服された者として文句なしの台詞を吐く由麻に片桐は満足し、そろそろ尽きてきた牡汁を残さず注ぎ込もうと腰に力を入れて放出を行う。
既に許容量の限界を迎えている子宮内に牡の子種を受け止めきったところで由麻の絶頂感も収まり、引きつっていた背筋が次第に弛緩していった。
「ふあっ、あはあぁ……はふっ、あふん! はぁはぁ……射精、終わっちゃったぁ……ああんっ、ひふぅんん……!」
片桐の厚い胸板に両手を着き、大きく肩を上下させて呼吸を荒らげながら、由麻は凄絶な官能の一時を惜しむように呻きをこぼす。
落ち着いてきたところで改めて腹の奥底に出された精液の熱さを感じ取り、疲労した身体をブルッと震わせて改めて安らかな心地を胸の中で味わう。
(んふぅ……お腹ぁ、奥まで熱い……! すごい出されて……あたし、身体の中まで全部、ご主人様に支配されちゃったぁ……!)
ここまでの充足感は初めて感じるかもしれない……子供の頃に両親に褒められた時よりも、バレーボールでいい成績を収めた時よりも、ずっとずっと満たされている気さえする。
「クククッ……実にエロいイキっぷりだったぞ。俺も気持ちよく出せたし、満足だ……!」
「あふぅ……んはあぁ、ご主人様ぁ……!」
「お前は間違いなくいい奴隷になる……期待してるからな、由麻」
陶然となっていたところで、片桐が賞賛してくる。
その言葉に感激し、恍惚となっていた由麻の顔に牡に媚びる妖艶さが滲み出る。
「ありがとうございます、ご主人様ぁ……期待に応えられるように、あたし、頑張りますからぁ……」
そう答える由麻の声は、蕩けていながらも実に晴れやかな響きだった。
両親がいなくなってから初めて得た新たな生き甲斐……まるで生まれ変わったかのような気分に浸りながら、この拠り所を今度こそ絶対に失わないよう由麻は強く胸に誓った。
「一生懸命尽くしますから……これからも、あたしを奴隷として側に置いてくださいっ、ご主人様ぁ……!」
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――そうして由麻は片桐の奴隷になった。
滅私奉公とでも言うべき従順かつ健気な振る舞いが認められ、片桐からは性交の相手としてのみならず、様々な用件で役立つ駒として重用されている。
今もまた、片桐から新たな命令を下され、ある学生の調査に乗り出しているところだった――
(……うぅん……特におかしい様子は、ないかなぁ……)
廊下を歩く女子学生から身を隠しつつ、そっと様子を窺いながら心の中で呟く。
由麻が追っている人物は――学年が一つ下の2年生、一条咲耶という少女だった。
この白麗女子学園の学園長の一人娘で、容姿端麗で物腰穏やか、大人びていてどこか神秘性を感じさせる美少女である。
部活動で競泳に勤しんでいる事もあってプロポーションも申し分ない。
学業に至っては、さすがは学園長の娘らしく誰もが認めるほどに優秀で、同性である学生達からも憧憬と賞賛を受ける非の打ち所のない少女だ。
(本当に綺麗な子……文句なしの美人だなぁ)
後を尾けている由麻も、ついそんな感想を抱いてしまう。
そんな少女の様子を探るよう、片桐は命令した……咲耶の容貌にうっとりとしていた由麻ではあるが、心中にははっきりと不安が渦巻いていた。
(こうやって探らせるって事は……ううぅ、やっぱりご主人様、あの子を狙ってるんだよね……?)
由麻の目から見ても、見とれてしまうほどの美貌なのだ。
そんな彼女に片桐が目を付けるのは十分理解できる。
(でも、もし一条さんをあたしみたいに奴隷にしたら……あんな綺麗な子が奴隷になったら……もしかしたらご主人様、あたしなんていらないって思っちゃうんじゃ……!?)
そんな想像が幾度となく脳裏を過ぎり、恐怖で身体が震え上がってしまう。
今や由麻は片桐がいないと生きていけないと思う程に身も心も依存しきっていた。
そのため咲耶は由麻にとって脅威の対象であり、その情報を片桐に伝える事は自分の立場を危うくする行為になり得る……
だが、それでも由麻が様子見の手を抜く事はない。
主人である片桐に喜んでもらうため、側に置いてもらうため、下された命令を忠実に遂行する。
(ご主人様……! あたし、どんな命令でも頑張りますからっ……! だから捨てないで! ずっと奴隷でいさせてくださいっ……!)
止めどなく湧き上がる不安を片桐への思いで抑え付け、由麻は揺らぐ心を奮い立たせて、咲耶の観察を続けるのだった……
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